332. 不文律(ふぶんりつ)のルール

みなさん、こんにちは、日本語の先生のりこです。




みなさん、今年になって1月ぐらいからYoutubeで人気が出た日本の曲、「うっせぇわ」という曲を聞いたことがありますか。




「うっせぇ、うっせぇ、うっせぇわ!」みたいな歌なんですけれども、うるさいって言ってる、それを「うっせぇわ!」って叫んでる歌がとても流行っているそうです。私は最近まで知りませんでした。




これを歌っているのは現役女子高生、ま、最近、高校卒業したばかりということですが、その当時歌の、歌を歌っていた当時、高校生だったAdoさん、Adoさんという歌手が歌っている歌なんですね。Youtubeで見ることができます。私のトランスクリプトのページにも、リンクを貼っておきたいので、ぜひぜひチェックしてみてください。




歌詞が面白いんですね。難しいんですけれども、ま、社会のいろいろな理不尽なこと、おかしいんじゃないのって思っていることへの怒りの歌だと私は思っています。




その「うっせぇ、うっせぇ、うっせぇわ!」の中の歌詞にですね、「クソだりなあ、酒が空いたグラスがあれば、すぐに注ぎなさい」「不文律最低限のマナーです」というところがあるんです。




これはすごく面白いと思ったので、もう少し詳しく話します。この「酒が空いたグラスがあれば、すぐに注ぎなさい」。これはですね、会社の飲み会です。日本の会社で、定期的に、部署で、上司と飲み会がある。また、取引先の接待として、嫌々ながら飲み会に行く。忘年会もある、新年会もある。日本の会社の中ではいろいろな飲み会があります。




もちろんね、今はコロナ禍で、そういうことがなかなかできないらしいんだけれども、コロナ禍の前は普通によくありました。そんな時に上司のビールのグラスが空いてしまった、emptyになった、上司は全部ビールを飲んだ。空いたグラスがあれば、部下はそれに気づいたら、すぐに注ぎなさい。新しくビールを上司の瓶に、瓶に?、ごめんなさい、グラスに入れてあげなさい。入れなさい、こういうルール、マナーがあるですね。



これを、この歌詞の中で、この歌詞の中で、Adoさんは「不文律のマナーだ」と言っているんです。「不文律」、難しい言葉が出てきました。




不文律というのはお互いに暗黙のうちに、ああ、仕方がないね、そうだよね、そういうふうになってるもんね、みたいな感じで、了解し合っている決まりやルールやマナーのことなんですね。




ですから飲み会で、上司のビールのグラスが空いていても注がなければいけないなんていう決まりやルールは本当はないんです。でも、昔からそうやってる、そうしなきゃいけない、若い人が上司にそうしなきゃやいけないみたいな雰囲気がある、暗黙のルールがある。これが不文律のルール、マナーだそうです。ま、他にもいろいろあると思うんだけれども、はい、そんな感じ。




私の時代、ま、昔々日本で働いていた時代のことを話すと、私が大学を卒業して一年目、社会人になって、一年目の時に、その職場で私が一番若かったですから、朝一番にして、行ってやらなければいけないことは、先輩方のお茶出し。コーヒーを作って、みなさんに出していました。これもそうしなさいというルールがもちろんあるわけじゃないけれども、その職場では毎年そうやってきた。今年も一番下の人はそうするんですよ、みたいなこと。不文律のルール、マナー。




今を思えば、クソだりってことですね。ですからこのAdoの曲が、「うっせぇ、うっせぇ、うっせぇわ!」が人気になった理由は、そういうことへの怒り、おかしいんじゃない?クソだりんだよ!ま、ちょっと言葉は悪いんだけれども、そう大きく怒りの声をぶつけている。これで若い人の中で、この歌が人気になったということだそうです。ま、みなさん、この怒りの歌、ぜひぜひYoutubeで聞いてみてください。Adoさんの「うっせぇわ!」。




あのね、本当に、この会社の飲み会は、どうにかならないものなんでしょうかね。ない方がいいね、いらない。あんなものはいりません。もちろん、気が合う仲間と行きたければ行けばいいんです。でも会社の定期的な飲み会で、行かなきゃいけないという雰囲気、断れない雰囲気、これはあってはいけないと思うし、取引先との飲み会、接待、これもサラリーマンが出るドラマによくありますよね。いや、本当に面倒くさいけど、サラリーマンの人よくやっているよね。いや、そういう場面でアルハラ、アルコールハラスメントなんかがあるそうですね。本当はみんな、ストレス。行きたくないらしい。うん、だから、みんな、行きたくない、行きたくないけど行かなきゃいけない。行ったら上司のグラスにビールを注がなきゃいけない。なんてことでしょうか。不文律のルール、マナー。




ま、私はね、この不文律という言葉、あんまり聞いたことも使ったこともなかったので、このAdoさんの曲を聞いて、歌詞を読んで、改めて、意味を確認したんですね。勉強になりました。




あの、聞いたらね、かなりインパクトのある曲で「うっせぇ、うっせぇ、うっせぇわ!」って叫んでるんですよ。もちろんAdoさんの声の方がもっともっとお上手で、迫力があるんですけれども、本当に面白い。一度聞いてみると、あの、日本語の若い人がどういう思いで、生きているのか、ストレスが溜まっているんですね。頑張ってと、言いたくなります。




はい、あの、私、正直に言うけど、今ね、もう日本の会社では働けないかなあ。無理ですね。もう長く日本に、日本から離れて、イギリスに住んでいて、日本の会社、面倒くさいって思うね。うん、思う。面倒くさいって思うよ。




だからAdoさんの歌詞の言葉で言ったら、クソだりですよ。ま、ちょっとこれ、でもみなさん、きついからね、汚い言葉だから、あんまり使わない方がいいんだけれども、ま、歌詞を見れば、本当に面白い表現がたくさん出てきます。ということで今日のテーマは、不文律のルールについて話しました。ちょっと難しかったね、ごめんなさい。はい、今日はここまでです。



Special Thanks go to Donna トランスクリプトを作ってくれました。Thank you!


Join my Patreon to get bonus tracks & videos. 

https://www.patreon.com/japanesewithnoriko

Japanese with Noriko

A fully qualified Japanese teacher and also the creator of the Japanese podcast, LEARN JAPANESE WITH NORIKO.

Previous
Previous

333. 特別インタビューSteve Kaufmann さん

Next
Next

331. 勇気とチャレンジに感謝