111.カルテットシリーズ「ほんの気持ち」

みなさん、こんにちは!日本語の先生のりこです。今日、これを話しているのは金曜日ですね。ある週の金曜日。金曜日は、私にとって半日だけの日なんですね。朝午前中仕事をして、昼からは週末です。はい、だから、ちょっとテンションが上がる。私にとって金曜日の午後と土曜日が私の週末なんですね。はい。ですから、これを撮って録音すれば、はい、もう週末〜嬉しい〜という感じになると思うんですが、実は今週はとても疲れています。今週はちょっと寝不足なんですね。寝不足でなんか調子が悪いのりこさんが話しているポッドキャストです。


今日は、タイトルにもありますように、「カルテットシリーズ」。まあ、シリーズになるかどうか分かりませんが、カルテットシリーズのパート2ですね。はい、パート2。あのね、これ続けるかどうか分からないし、決して教科書の内容をこのポッドキャストを通して教えるというエピソードではありません。そういうポッドキャストはしたくない。私は、自由に話したいので。え、ただですね、カルテットの中にも、面白い役に立ちそうなトピックや表現がたくさん出てきますから、それを取り上げて話していきます。


今日の表現、二つあります。まず一つ目。「たいしたものじゃないんだけど」。これはですね、一課のカジュアルな会話のモデル会話のなかで出てくるんですね。場面を説明します。ジョージ・テイラーがアメリカから日本にやってきました。寮の生活を始めるんですね。そこで、日本人学生の本田健さんに初めて会う場面で、ジョージがシアトルから持ってきたお土産を本田健さんにあげる場面です。ジョージは、こう言います。「あのう、これ大したものじゃないんだけど、シアトルで有名なコーヒー豆です。」これね、よくある表現なんです。


皆さんは、よく似ている表現で、「つまらないものなんだけど、どうぞ」って聞いたことあるかなあ。またはこれ、「たいしたものじゃなんだけど、これどうぞ」ね、「nothing special, but...」と言って、小さいものをプレゼントするんですね。はい、何か旅行先で買ったお土産とか、海外旅行で買ってきたお土産。食べ物が多いと思うんだけど、クッキーとか、お菓子の箱をね、そんなものあげるときに、一緒にこう言うんです。「たいしたものじゃないんだけど。」


でね、あの、本当によく使う表現だと思うんだけれども、やっぱりさあ、言葉の意味が、これ、謙遜してるんですよ。自分を謙遜して、「たいしたものじゃないんだけど」と言って、実際にどうでもいいものをあげてるわけじゃないんだけど、でも「たいしたものじゃないんだけど」って聞くとね、中には、「へー、そんなもの、だったら欲しくないよ」って思う人もいるらしい。そして、外国人の人で、これは謙遜して言ってるんだっていうことが分からなければですね。「たいしたものじゃないんだけど」って言われて、「じゃ。いらないよ」って思うよね。はい。まあ、でも、日本人の場合は、謙遜して言ってるんですね。


はい。そして、じゃ、「たいしたものじゃないんだけど」に代わりに使えるいい表現がないかなあと言うことでですね。このカルテットの教科書の第2課のモデル会話には、他の表現が出てくるんですね。え、これはですね、フォーマルな会話のモデル会話なんです。場面を説明すると、日本語の授業を受けているワン・メイリンさんと中村先生の会話なんですね。


ワンさんは先日中村先生に、インターンシップに参加するための推薦状を書いてくださいと頼んでいたんです。で、中村先生は、推薦状を書いてくれて、インターンシップも全て終わった。その後の会話で、ワンさんは、中村先生にお礼をしたいんですね。はい。で、授業が終わった後ですね。ワンさんはこのように話しかけます。「あのう、これ、ほんのお礼の気持ちです。」「これ、ほんのお礼の気持ちです。」すると中村先生は、「そんな必要なかったのに!」と答えるんですね。するとワンさんは「いえ、いえ、少しですが、召し上がってください」と言うことで、食べ物が入ったきれいな箱、多分お菓子かな、それを先生にプレゼントするんです。


はい。このフレーズ、「ほんのお礼の気持ちです」とか、「ほんの気持ちです」、これ、いい表現じゃないですか?うん。これ、ぜひ使ってみてください。皆さん、日本に住んでいる人で、ね、このような場面があったらぜひ使って欲しいんですね。どんな場面ですか?先生や先輩や同僚が、または友達が、あなたのことを助けてくれました、何か手伝ってくれたんです。で、それがうまく行って、その後でお礼を言いたい。ね。その時に「これ、ほんの気持ちです」と言って、一言添えて何か小さいものをあげる。この小さいものをあげるっていうのもポイントなんですよね。これ、「ほんの気持ちです」とか、「たいしたものじゃないんですが」とか言いつつ、ものすごい高級なものをあげてはいけませんよ。これは受け取る側もちょっとプレッシャーになってしまいますから。何かお菓子のような小さいものをあげる時にね、「ほんの気持ちです」と言ってあげると、なんか会話がスムーズな感じがする。はい。


と言うことで、皆さん、「これ、ほんの気持ちですから、どうぞ」とか、「いつもありがとうございます、ほんの気持ちばかりですが、ぜひお召し上がりください」とか、「出張で京都に行ってきたんです。皆様にほんの気持ちですが、手土産をどうぞ」、「先日はありがとうございました。ほんの気持ちばかりですが、どうぞ召し上がってください」なんて言って、その小さいものをプレゼントできるといいなと思います。


と言うことで、使えるフレーズ、日本の社会で使えるフレーズ。「あの、これ、たいしたものじゃないんだけど」と、「これ、ほんのお礼の気持ちです」を紹介してみました。はい。カルテットの教科書にはね、ロールプレイのところがあって、モデル会話を読んで、その会話に沿ってロールプレイをするという場面が出てきます。なかなか役に立つロールプレイの場面がたくさん出てくると思っています。


それでは、今日はここまでです。皆さん、またね。

Special Thanks go to Paul, トランスクリプトを作ってくれました。Thank you!

Japanese with Noriko

A fully qualified Japanese teacher and also the creator of the Japanese podcast, LEARN JAPANESE WITH NORIKO.

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