157. Video Podcast : NHKの記事「毛が嫌われている!?」

皆さん、こんにちは。日本語の先生、のりこです。今日はビデオポッドキャストになります。YouTubeのチャンネルには、動画もつけています。それと今回、先に簡単に原稿を作ってから話をしています。なので原稿を見ながら話していますね。これはいつもと違うエピソードの作り方になります。皆さん、トランスクリプトは私のCommunity限定になります。Community Japanese Together ではSeason 2のトランスクリプションにアクセスにできるし、このエピソードについてディスカッションをするMeet-upもあります。






今日は、NHKで見つけた面白い記事を取り上げます。タイトルは『毛が嫌われている!脱毛ブーム、いったいなぜ?』です。





私は12月に3週間、日本に滞在していました。ほとんどは倉敷の実家にいたんですが、少しだけ東京にも滞在したんですね。東京で、地下鉄とかJR の電車に乗った時、電車の中にあるたくさんの「つり革広告」、電車広告を見ました。東京で電車に乗ったことがある方は、気付いたと思うんですけど、日本の地下鉄とか電車の中って、本当に広告が多いんです。でね、私、気づいたんですけど、男性のエステの広告が多い。しかも、脱毛。脱毛サロンっていうのかな、はい、男性をターゲットにした「脱毛しよう」っていうサロンの広告が多いと思ったんですよね。






で、 イギリスに帰国してから、この NHK の記事を偶然見つけて、納得しました。日本の男性の中で、今、脱毛ブーム。毛が嫌われているんだって。はい、ということで、この記事の内容を読んでいきます。まずは、最初の記事の内容を読みます。






同年代の仲間のあいだでは“脱毛”がブームです。数か月前、定期的に脱毛クリニックに通っている同僚から、「紹介キャンペーンで割引き中だから一緒に行かない?」と誘いを受けました。街の看板や鉄道の中、そして、インターネット上で脱毛クリニックの広告をよく目にします。それも“男性向け”が多くなった印象を持ちました。いつの間に“毛”が嫌われるようになったのでしょうか。性別や世代を超えた“脱毛ブーム”の背景を取材しました。

 




これが、最初の記事の部分で、あとは、実際の脱毛クリニックに取材した様子が書かれています。その取材されたクリニックでは、合計で1か月に6万人が訪れていて、3年前の3倍にお客様が増加しているということでした。だから今本当に脱毛したい人が増えているんですね。で、男性客の脱毛する理由なんですけど、

 




会社員(32)「女性の意見を加味して脱毛をやっています。つるつるのほうがいいよね、清潔感があるほうがいいよねって女性の友達も言っています。脱毛したあとは、肌きれいやねって言われたりとか、見た目より若いと言われたりとか、気づいてもらえるんです」

 

公務員(34)「最初は手入れがしたくないっていう一心でクリニックに来ましたけど、一回毛をなくすと、『ここもいらないんちゃう?そこもいらないんちゃう?』と感じるようになりました。無毛でつるつるの肌が憧れです」

 




うわー!衝撃的、びっくり。みなさんの国でも同じようなトレンドがあるんでしょうか。これね、記事にも書かれているんだけど、化粧品会社の広告の昔と今の違い、これがとてもおもしろいんですね。




 

1970年代の広告は、カーボーイ姿のおじさんで、たくましいヒゲが印象的な男性の写真なんです。でも、今の時代の広告は、男性は肌がつるつるなんです。つまり、時代とともに、男性の見た目への意識が変化しているんですよね。女性だけではなく、男性もお肌の手入れを積極的にするようになって、美肌を目指しているんです。だから、脱毛も人気。

 

 

だた、このNHKの記事のびっくりするところは、最近子どもが脱毛クリニックに行くケースもあるということで、ある中学生の女性は、

 

 

中学2年生の女性

「肌が出ている部分に毛があると清潔感がないと感じます。学校の友達も脱毛サロンに行っています。ほかにも、好きなユーチューバーが動画内で『この前、どこのサロンに行ったよ』『効果があったよ』と言っているのも見ました。それで興味を持つようになりました」







というコメントがあって、私はびっくりしました。毛が濃いと恥ずかしいと思ったり、学校でからかわれる、ということもあるんだって。多感な年頃だから、毛のことで悩む子どもがいるということかな。記事の最後の方には、ある大学教授のコメントがあって、

 




「SNSが身近になるにつれ、『自分をどう見せるか、見られるか』ということが、『自分って何?』という問題と結びついてきた。『見られている』ということを無意識に知っている状態が、脱毛する気にさせるのかなと思う」

 




と言っています。さらに、文化人類学者 磯野さんは次のように言っています。

 




「『むだなものを全部そぎ落としていこう』という考えと『ヒゲなんて生えてきたら邪魔だよね、むだじゃん』という考えは、つながっている。つるつるの体というのは、『むだなものをそぎ落として合理的に生きていきたい』という、まさにオンライン化された社会の欲望を象徴している」

 




この視点、指摘、面白くないですか。現代の人々はもっと効率よく無駄なものをなくして生きていきたい、そういう傾向があるんだって。だから毛もむだなもの、面倒なもの、だからなくそう、という。脱毛するかどうかは、やっぱり個人の自由だけど、日本でよくあるみたいにこれが社会の風潮みたいにになってしまって、「脱毛しないといけない」という同調圧力が高まっていくのは危険だなと思いました。そう、これこそ自由に生きられない日本社会がどんどん進んでいくような気がしますね。それはよくないです。

 




私は日本滞在中の感想をポッドキャストでもシェアしたけど、日本ってマスク着用のこともそうですけど「同調圧力」を感じることが多いと思います。その結果、生きづらいと思う人、そしてストレスがたまってしまう人が多いんじゃないかな。はい、それでは、みなさんはどう思いますか。「毛が嫌われている」から「同調圧力」まで話が発展して、なかなか深いトピックでしたよね。ぜひNHKの記事も読んでみてください。それではまたね!

 

 

Japanese with Noriko

A fully qualified Japanese teacher and also the creator of the Japanese podcast, LEARN JAPANESE WITH NORIKO.

Previous
Previous

158.Book Club - Reading Challenge 2023 中級以上『日本人の心がわかる日本語』

Next
Next

156.Larryさんの日本語学習13年の旅