16. Love myself

BTS のスピーチ全文:https://www.unicef.or.jp/news/2018/0160.html

皆さん、Learn Japanese with Noriko、シーズン2。


今日はとても真面目な話です。自分自身を愛そう、自分自身を大切にしよう、自分自身を語ろうということについて話していきたいと思います。


先日私のエピソードで「推しの世界」ということについて話しましたね。推し。好きで好きでしょうがないもの。ファン。私は、今の推しは、何とK-POPのBTSです。BTS、BTS。はい、BTSが好き。何か文句ありますか。


はい、その BTS はユニセフのグローバルサポーターなんですよね。そして、随分昔の話ですが、2018年ニューヨークにある国連の本部で「自分自身を愛そう、自分自身を語ろう」というスピーチをしたんです。そのスピーチはもちろん英語でされたんだけれども、素晴らしい日本語訳を見つけました。「ユニセフ。BTSスピーチ」というキーワードできっと見つけることができると思います。このスピーチの日本語訳を紹介したいんですね。


まず、このキャンペーンは「Love Myself」「私自身を愛そう」というキャンペーンだったそうですね。本当の愛は、自分自身を愛することから始まるというコンセプトのキャンペーンで、世界中の子どもと若者を守る、保護することを目的としたキャンペーンだったそうなんです。そのキャンペーンを助けたのが、BTSだったんですね。そして、この国連でのスピーチは、BTSのリーダーが英語でとても良いスピーチをしたんです。私全部は読みません。ね、日本語訳ももちろん長いんだけれども、一部だけを紹介します。ま、一部と言っても、結構長いかもしれない。ちょっと聞いてみてください。ここから言うのは、ユニセフのページから取ったものです。行きますよ。これはBTSのリーダーの言葉です。スピーチ。


さて まずは僕自身の話から始めたいと思います。

僕は 韓国・ソウル近郊のイルサンで生まれました。湖や丘のある本当に美しい町で 毎年フラワーフェスティバルも開催されています。僕は そこで幸せな幼少期を過ごし、ごく平凡な男の子でした。夜空を見上げて想いを巡らせたり、男の子らしい夢を見たりしていました。僕は世界を救えるスーパーヒーローだ、なんて想像もしていました。

僕たちの初期のCDアルバムのイントロに「9歳か10歳のとき 僕の心臓は止まった」という歌詞があります。振り返れば、他人が僕のことをどう思っているか、どう見えるかを、心配し始めたのが、その頃だったと思います。

夜空や星を見上げて空想することをやめ、他人がつくりあげた型に自分を押し込もうとしていました。自分の声を閉ざし、他人の声ばかり聞くようになりました。誰も、僕自身でさえ、自分の名前を呼びませんでした。心臓は止まり、目は閉ざされました。

このように、僕は、僕たちみんなは、名前を失い、幽霊のようになりました。


この部分はスピーチの最初の部分ですね。たくさん夢を持っていた子供の頃。でも、いつ頃か、その夢が消えたんです。なぜなら、他人の声ばかり聞くようになったんですね。男の子はこうあるべき、こういう大人になっていくべき、もっと勉強しなさい。大人の価値観を押し付けられて、他人が作り上げた型に自分が押し込まれていって、そして自分らしさがなくなっていった。だから、「名前を失い、幽霊のようになりました」と言っているんです。


では、スピーチを続けます。


 でも、僕には音楽がありました。自分の中で小さな声がしました 「目を覚ませ!自分自身の声を聞くんだ」。それでも 音楽が僕の本当の名前を呼んでくれるまで 長い時間がかかりました。

BTSのメンバーになると決めた後でさえ たくさんのハードルがありました。信じられない人もいるかもしれませんが ほとんどの人が 僕たちには見込みがないと思っていました。やめたくなるときもありましたが諦めずにここまで来られて とても幸運でした。

そうやって 僕もみんなも これからもつまずいたり転んだりするでしょう。

BTSは大きなスタジアムで公演し 数百万枚ものアルバムを売り上げるアーティストになりました。でも 僕は今でも 平凡な24歳の青年です。僕が何かを成し遂げたのだとしたら それはBTSのメンバーが側にいてくれて 世界中のARMYが愛とサポートで支えてくれたからです。

昨日、僕はミスをしたかもしれません。でも、過去の僕も僕には変わりありません。今の僕は、過去のすべての失敗やミスと共にあります。明日の僕が少しだけ賢くなったとしても、それも僕自身なのです。失敗やミスは僕自身であり、人生という星座を形作る最も輝く星たちなのです。

僕は 今の自分も 過去の自分も 将来なりたい自分も すべて愛せるようになりました。


これはスピーチの真ん中の部分ですね。いろいろ悩んだ、ま、ティーンエージャーの時。でも、やっぱりこのリーダーには、BTSのリーダーには、音楽があったんですね。「目を覚ませ、自分の好きなことをやりなさい、自分の声を聞くんだ、自分らしく生きなさい」そう思えた時に、少しずつ前に進むことができて、BTSのメンバーになって、今では世界中で知られるボーイズバンドのメンバーになったわけです。そして、失敗した、悩んだ過去も、そして、これからの自分も全て愛せるようになったということなんですね。つまり、あんなに成功している彼でも、失敗したことは何度もある。私たちのように、同じように悩んだ時期もある。みんな同じ時期を乗り越えていっているんです。


それでは、次はスピーチの最後の部分を読みたいと思います。 


最後にもうひとつ話したいことがあります。

アルバムをリリースし『LOVE MYSELF』キャンペーンを始めてから 世界中のファンから素晴らしいストーリーが届き始めました。僕たちのメッセージが 人生の困難を克服し 自分自身を愛する助けになったこと。そうしたストーリーは 僕たちが担う責任をいつも思い出させてくれます。

だから 僕たちみんなで もう一歩前に踏み出しましょう。

僕たちは 自分自身を愛することを学びました。だから今度は「自分自身のことを話そう」。

 

あなたの名前は何ですか? 何にワクワクして 何に心が高鳴るのか あなたのストーリーを聞かせてください。

あなたの声を聞きたい。あなたの信念を聞きたい。

あなたが誰なのか、どこから来たのか、肌の色や ジェンダー意識は関係ありません。

ただ、あなたのことを話してください。話すことで、自分の名前と声を見つけてください。

 

僕はキム・ナムジュン。 BTSのRMです。

アイドルです。韓国の小さな町で生まれたアーティストです。

他の人と同じように、人生でたくさんのミスをしてきました。

たくさんの失敗も恐れもあるけれど、自分を力いっぱい抱きしめることで、少しずつ自分自身を愛せるようになりました。

あなたの名前は何ですか?自分自身のことを話してください。


どうでしたか。最後のところ、とても強いメッセージがあると思いました。皆さん、とても難しい日本語訳のスピーチだと思います。難しい言葉もたくさん、出てきましたね。でも、言いたいことは、自分自身のことを愛してください、話してください、あなたが誰なのか、どこから来たのか、肌の色やジェンダーは関係ないと言っているんです。


私はのりこです。日本人です。今イギリスに住んでいるオンラインの日本語教師です。日本の岡山、小さな田舎で生まれました。もうすぐ50歳になります。人生でたくさんのミスをしてきました。悩んできました。昔々私は自分の体や顔が好きじゃなかった。自分のことをブスだと思っていて、自信がなかった。スキルもなかった。でも、今たくさんの失敗をして、たくさんの経験をして、自分のことが好きになってきました。自分のやっていることに自信を持ってきました。


皆さん、あなたの名前は何ですか。自分自身のことを愛してください。自分自身のことを話してください。


はい、ということで、今日はとても真面目な話をしてみました。皆さん、是非このトピックについて考えてみてくれると嬉しいです。じゃあ、以上です。またね。 

Special Thanks go to Maria, トランスクリプトを作ってくれました。Thank you!

Japanese with Noriko

A fully qualified Japanese teacher and also the creator of the Japanese podcast, LEARN JAPANESE WITH NORIKO.

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