195.おすすめの本『流浪の月』

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皆さん、こんにちは。日本語の先生のりこです。今日は私がめっちゃ大好きな本、本当にイチオシ中のイチオシ。凪良ゆうさんの「流浪の月」について話したいと思います。で、最近、立て続けに二冊の本を紹介しました。で、この二冊よりももっともっと好きだった本が、この本です。

で、どれだけはまっちゃったかといと、日本に滞在中の去年の12月に読んだんですけど、まず、私のプライベートレッスンの生徒さんがこの本を読んで、本当に良かったとお勧めしてくれて、で、日本に帰ってすぐ本屋さんで買ったんですね。紙の本を買いました、私。時差ボケがあったので、夜遅くまで起きて、読んでいて、もう一日もかからなかったんです。たぶん、その一晩中、一晩中というか、3時間ぐらい、4時間ぐらいで全部読んじゃった本なんですね。そのぐらいはまった。もう本当にね、あの、なんですかね、共感したというか、物語に入り込んで、もう次がどうなるか知りたい、と思って一気に読んだ。そのぐらいはまったということなんです。

ただね、あまりにも好きな本だから、そして、結構複雑な内容で、テーマが色々あって、ちょっと重いんです。なので、ポッドキャストで話したいなと、ずっと思ってたんだけど、うまく話せる自信がありません。今もありません。なので、うまく説明できなかったら、ごめんなさい。先に誤っておきます。

ただね、頑張って話そうと思った、ま、その、もう一つのきっかけがありまして、それは私のコミュニティで、ある生徒さんがこれを読みました。で、読んで、彼女は約二ヶ月ちょっとかかって終わったそうなんですけど、それもすごいね。本当に難しい小説を、あの、二ヶ月かけて読んでくれて、で、それもすごかったし、読んだあとね、感想文、記事を、まとめの記事を書いてくれて、コミュニティの中に投稿してくれたんです。

で、この記事が本当に素晴らしくて、今その記事を読みながら、この生徒さんの記事を使って話そうと思うんですね。それほど、素晴らしくて、この生徒さん、よく頑張ったね、と伝えたい。その意味も込めて、今エピソードを話しています。

じゃまず、めっちゃネタバレから行くよ。はい。

主人公は二人います。一人はサラサちゃん。最初の、そうですね、小説の最初は9歳、少女、少女のときです。で、温かい両親のもとで、幸せな暮らしを送っていたサラサちゃん9歳なんだけれども、いろいろなことがあって、両親を失ってしまいました。で、親戚の家に預けられたんだけれども、その親戚の家でいろんな問題、いろんなことがあるんだね、はい、悲しいことがあります。で、このテーマも本当に重たい。

で、そんな嫌な親戚の家に帰りたくないサラちゃんは、ある日公園で19歳の男性ふみに出会うんです。これがもう一人の主人公。で、ふみに誘われて、ふみにのアパートに帰るんです、連れて、ついていくんです。で、これ、明らかに、ちょっと変だよね。普通に考えたら。9歳の女の子が19歳の男の家に入り込んで、しばらくそこで生活をする。

で、もちろん世間は大騒ぎになります。誘拐事件だ、刑事事件だ。女の子がさらわれた。マスコミにも取り上げられて、ニュースにもなって、で、結局は誘拐事件として、扱われて、ふみは警察に捕まり、サラサちゃんは、(ふみ)と離れ離れになるんですね。そこで、最初の部分が終わるんだけれども、15年後ぐらいかな、二人は、サラサちゃんが大人になってから、再会することで、また、いろんなことが起きていく二人の物語なんです。

はい、でね、テーマは本当にたくさんあります。だから、本当に難しいな、ちょっと自信がないんですけど、私も話すのが。この大人の男性と子供の少女の、少女の話でもあるし、加害者と被害者の話でもあるし、誘拐事件、ロリコン、幼児虐待、家庭内暴力、子育て、子供の頃のトラウマ、真実とは何か、普通とは何か、色々テーマを上げれば、切りがないんですけれども、何よりもね、本当にこの凪良ゆうさん作家さんがすごいですね。ものすごい素晴らしい美しい描写がこう静かに流れていて、心に少しずつ少しずつ染みていって、そして、読めば読むほど、ふみとサラサの世界に入り込むんです。

そして、私は幼児虐待とか、ロリコンとか、そういうコンセプトが好きじゃないけど、でも、二人を応援したくなるんですよ。応援したくなるんです。二人が幸せに生きてほしい。どんなに世間から思われようと、叩かれようと、二人は幸せになって、と思える本なんです。これは読まないとわからない。

もう、途中で胸が痛くなることがたくさんあるんですよ。苦しくなる、もう読んでいて、本当に苦しくなるんだけれども、それでも最後まで読めるぐらい傑作だと思います。これはもう、作家の腕ですね。凪良ゆうさんが素晴らしいんだと思うんだけれども、あの、色々考えさせられました。

で、私の生徒さんが記事、作文を書いてくれた中にも、私も同じような意見を持ったんです。で、その部分を生徒さんの作文を使って紹介していきたいんだけど。

一つは事実と真実。これはですね、このサラサちゃんがよく言ったことなんです、小説の中で。子供のときに誘拐されたと大騒ぎになったこの二人。で、世間は誘拐とみなしました。でも、サラサちゃんたちはそう感じていないということなんです。

ただ、このデジタルの世の中で、インターネットが普及している世の中でこんなニュースはすぐ世界、世界中というか、日本中に広がっちゃって、ふみは幼女を誘拐して、虐待したという危ないやつだと決めつけられて。で、サラサちゃんはそういう被害者だと決めつけられて、社会の世間の目は、そういう目で二人を見る。でも、真実は違うということ。はい。

そして、普通とはなんですか。世の中にはルールがあります。いろいろな習慣、慣習があって、で、普通の生き方をしていない人を変だと思う風潮がある。でも、普通ってなんですかということじゃない。深いですね、これは。

はい。で、さっきも言ったように社会の目はこの二人は普通じゃないと見ているわけですね。変だと、変なやつらだと見ている。うん、でも、実際、どういう生き方がいいんですか。みんなと同じような生き方をしなければいけないんですか。他の人を傷つけないなら、自由に自分たちらしく生きるのはいいんじゃないですか、と思わせるような展開なんですね。

はい。そして、このサラサちゃんとふみにはそれぞれ子供の頃のトラウマがあります。はい。で、やっぱり、人には、私達には、人には言えないトラウマとか秘密とか悩み、気持ちってあるじゃない。で、それは本当にこの二人は深い。でも、そういう二人だからこそ、二人心打ち明けて、深い関係がきつづけ、深い関係になっていくわけです。精神的に、気持ち的に。

で、こんな深い愛で結びついている二人を世間の目はおかしい奴らだと決めつけて、なんですかね、このふみとサラサを離、離そうとする。これはいいことなのか。悪いことなのか。皆さん、どう思いますか。これは読んでみないとわからないです。

はい。そのぐらい私も深く考えさせられたし、皆さんもきっと色々考えさせられる本です。はい。皆さんぜひ。私はまだ映画を見てないですね。映画もきっと良さそうです。あの、いい俳優が出演している。あの、「流浪の月」です。あの、うまく説明できたかどうわからないけれども、熱く語ったのは伝わったと思うので、それだけ、傑作中の傑作だと言っておきます。はい、それでは、うまく説明できないから、これ以上言うのはやめておこう。はい、でも、一人でも、「流浪の月」を読んでいただいてですね、あの、深くはまって日本の小説すごいなと思ってくれたら、嬉しいな、と思います。

以上です。


Japanese with Noriko

A fully qualified Japanese teacher and also the creator of the Japanese podcast, LEARN JAPANESE WITH NORIKO.

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