85.10年前の私へ

皆さん、こんにちは。日本語の先生のりこです。


今日は2022年春のWriting Challengeのトピック2、「10年前の自分にメッセージを書いて下さい」について話していきます。今日もチャレンジに参加してくれた二人の生徒さんの作文を紹介していきます。皆さんは、10年前どこで何をしていましたか。学生でしたか、子どもでしたか。思い出して下さい。10年前の自分。

 

私はね、もちろん北アイランドにもう住んでいましたね。はい、10年前、30代後半でしたね。懐かしいです。さて、最初に紹介する作文はイタリアの生徒さんです。読んでいきますね。

 

10年前の自分へ


10年前の自分へのメッセージには色々書きたいことがあるんですが、一言、何に苦労しているのか、何に気をつけているのか、今を楽しめ。


結婚して、子供にも恵まれて、仕事も出来たけれど、毎日忙しかったので、いいことに気付く余裕がありませんでした。今のままじゃダメだ、もっと頑張らないと、完璧になりたいと思っていて、プレッシャーを強く感じていました。時々ついつい自分を見失ってしまいました。良く寝られずあれこれ考えてしまって、気分が落ち込むこともよくありました。

 

私の人生で最も暗い時期でした。でもどん底まで落ちたら、いつか自分の力が発揮出来るでしょう。明るい未来は私の手の中にあると思っていたけれど、家族のサポートも大事ですよ。家族のサポートのおかげで、だんだん心と体が良くなってきました。10年前の自分について励ましたいことは「人間は誰しも完璧じゃない、無理しなくていい」です。マイペースに突き進んで、毎日を楽しく生きてみてね、というメッセージです。


はい、以上ですね。

 

私はこの作文、とても共感が出来ました。だって私達誰にでも暗い時期、落ち込んでいる時期があるでしょう。そしてその時期は必ず終わって、いいこともあります。この生徒さんも本当に暗い時期を経験した。だからこそ、今、過去の自分に「出来るだけ、今を楽しんで下さい。毎日楽しく生きて下さい」というメッセージが送れるわけですね。皆さんも、そうですよ。悩みもあるけれども出来るだけ毎日楽しんでみて下さい。マイペースがいいと思います。

 

次の作文、次の作文はマレーシアの生徒さんですね。この生徒さんは、昨年12月のJLPTの試験でN1を合格しました。とてもレベルが高い生徒さんなんですが、でも簡単に、この今の状態までたどり着いてないんですね。紆余曲折いろいろありました。それについての内容です。読みます。

 

10年前の自分へ。


10年前のこの頃18歳のあなたは大学に入るための手続きや準備でバタバタしていたね。そして、ある夢を抱いていた。日本語を学んで、日本語で生活してみるという夢。


大学4年間、日本語の授業を受けても全然日本語を話せるようにならなかったね。そして、大学を卒業し、日本企業の面接を受けてみたんだが、受からなかった。社会人になったあなたは毎日仕事で忙しくて、日本語の勉強を辞めてしまったんだ。


毎日忙しくて、私は何のために生きているんだろうと思いつつ、憂鬱になっていく。憂鬱で死んでもいいと思っていたあなたは、なぜかある日突然自分の心の中で「日本に行きたい」という小さい声が聞こえた。ある日あなたは思い切って仕事を辞め、初めて、一人で日本を旅行をした。日本で再び夢をみた。大学の頃の夢を。そして、再び日本語の勉強を始めた。


この10年間、色々体験して来た。憂鬱、母の病気、父の他界、などに人生のはかなさを思い知らされた。でもあなたはよく頑張った、強くなった。10年後のあなたはJLPTのN1に合格するほど日本語が上達していて、あと数ヶ月間で日本に引っ越す未来が待っている。あなたの夢がもうすぐ叶えられる。だから10年前の自分へありがとう!

 

いや、私は本当に感動しました、この作文、素晴らしい。あのね、コツコツと勉強する。そして、夢が叶うまで、簡単じゃないんです、皆さん。簡単じゃない。長い道のり。この作文にもあったように、日本語を勉強して、日本で生活してみるという夢を忘れてしまった時期もあるんですね。簡単にN1合格したわけじゃない。でも色々あって、でも人生の中で色々決断をする時があって、今の自分があるんです。そしてN1に合格して、もうすぐ日本に行ける。日本の会社で働ける。夢が叶えられる、こんなに嬉しいことありません。そして、こんな作文を書いてくれた生徒さんに、感謝します。素晴らしい内容をシェアしてくれました。たくさんのインスピレーションを分けてくれます。


皆さんも諦めないで下さい。夢がありますよ。あの、生徒さんは本当に悩みがあったと思うんですよ、この思い切って仕事を辞めるということも、なかなか出来る決断じゃありません。人生にはそういう決断をしなければいけないこともあるんです。一歩踏み出して、その先に進んで行かなければいけない時もあるんですよね。


はい、皆さんも、JLPT、合格したい、N1取りたい、日本で働きたい、日本に留学したい、いろんな夢があると思うんです。今はコロナの中でなかなかね、夢が叶えられない時期かもしれないけど、待ってください、諦めないで下さい、と私はね、この生徒さんの作文を読んで、そう感じました。さて、皆さんは10年前の自分にどんなことを伝えたいですか。はい、今日は以上です。


Special Thanks go toChristina, トランスクリプトを作ってくれました。Thank you!

Japanese with Noriko

A fully qualified Japanese teacher and also the creator of the Japanese podcast, LEARN JAPANESE WITH NORIKO.

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