Season 3-111 「頑張れ!」がハラスメントになる?「つらいとき」に、どんな言葉をかけてもらえるとうれしい?Writing Challenge 5

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みなさん、日本語のポッドキャストJapanese with Norikoへようこそ。今日も元気よくやっていきたいと思います。最後まで考えながら聞いてください。今日のトピックも、ライティングチャレンジのトピックです。


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チャレンジもいよいよ後半になりました。チャレンジに参加している人、あともう少しで終わりです。頑張ってください。そして参加していない世界中の皆さんも、最後まで聞いてどう思うか、自分の考えをまとめてください。


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それでは今日のトピックは、みんなもアニメとかドラマで聞いたことがある、また使ったことがある言葉、「頑張って」「頑張れ」です。この言葉は日本の会話でよく使われますけど、使い方によっては何だかプレッシャーになる、ということもあるそうなんですね。


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今日はその理由とか背景、日本文化、価値観まで一緒に考えていけたらと思っています。「頑張って」、「頑張れ」、どんなときに使うと思いますか。うん。皆さんのレベルなら、よく知っていますね。誰かを応援したいとき、励ましたいときに使う言葉ですよね。


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例えば、試験の前、一生懸命勉強している人に、「頑張ってね、明日の試験。」仕事が大変なとき、明日大切なプレゼンテーションがある、そんな同僚の前で「きっと大丈夫だよ。頑張ってね。」そんなふうに声をかけるかもしれません。家族が何か困っていることがある。


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そんな友達に「落ち込まないでね、何とかなるよ、頑張ってね。」、そう声をかけるかもしれない。いろいろな場面で、「頑張ってね。頑張って、頑張れ」と言います。スポーツの場面でもそうですね。例えば、私は小学生、中学生のとき、ずいぶん前だけど、学校でマラソン大会が毎年ありました。


02:01 

マラソン大会、面倒くさい、嫌ですね。でも学校の行事だから休まずに参加しました。でも先生たちは「頑張って。最後までゴールを目指して頑張って」と私達に言います。この言葉には、もう皆さん、ちゃんとわかるように「あなたを応援してますよ。


02:24 

きっとできるよ、力を出してね」っていう気持ちがこもっていて、本来はポジティブな言葉のはずなんです。そう、ポジティブに思って人々は使っているはずなんです。どうして「頑張って」と言われた人がつらいともっと感じるんでしょうか?私は最近、いろいろな記事を読んでみました。


02:50 

うん。例えば、既に頑張っている人に「頑張れ」って言うと、「ああ、私、もうこんなに頑張っているのに頑張れって言われた。もうこれ以上頑張れない。」と感じてしまうことがあるそうなんですね。そして本当に疲れていて本当に落ち込んでいて、もうどうしようもできないって困っている人に、「頑張れ」って言ってしまうと、その人は、「ええ!もっと頑張らなきゃいけないの、無理だよ」というプレッシャーになることがあるそうです。


03:27 

言葉をかけるのは本当に難しいですね。プレッシャーを与えるつもりはないのに、かえって相手にプレッシャーを与えてしまうかもしれないこの「頑張れ」、「頑張って」という言葉。本当にね、難しい世の中、時代になってきたなと私、思うんです。


03:48 

うん。昔は、そこまで深く考えてなかったけど、今はいろいろなハラスメントが溢れています。そして人々の心はどんどん敏感になってきたかもしれません。そして、正直に、「ああ、もうつらい、もうできない」と言える世の中になってきたのかもしれない。


04:09 

だから、「頑張って頑張って」と言われ続けると、かえって嫌になってきたのかもしれませ

ん。元々、昔、日本には「忍耐は美徳」という言葉があります。つらいことや困難なこと、我慢して努力するのが良いことだと考える、価値観ですね。


04:34 

「結果はどうあれ、頑張りましょう。」「うまくいかなかったけど、努力したから、頑張ったからいい。」っていう言葉もよく聞きます。なので、日本では元々、何か大変なことがあったら、我慢してとりあえず努力するとか、結果よりも、その努力のプロセス、過程そのものが大事なんだっていう考え方の文化があるんですね。


05:02 

だから結果がもし悪かったとしても、ああ、あなた最後まで諦めずに頑張ったじゃない。その頑張ったことがすごいんじゃないと評価されるのが日本だと思います。でも、今、2025年、日本人はストレスが溜まっているのかな?もう本当に頑張ってるから「頑張れ」っていう言葉はもういらない、と思う人が増えてきたんだと思います。


05:34 

うん。言葉の影響は大きいですね。「頑張れ」、「頑張って」っていう言葉は人によって本当に受け止め方が変わってきました。元気が出る魔法の言葉だったはずだったなんだけれども、人によってはもっと心が疲れちゃう言葉になってしまったんです。


05:57 

本当に難しい。皆さんは、自分がつらいとき、どんなふうに言葉をかけられるのが嬉しいですか。「無理しなくていいよ、あなたのペースでいいよ。いつでも話を聞くよ」。頑張らなくても、あなたはあなた、そういうふうに言われるのが嬉しいですか。


06:21 

私は実はよくわかりません。なぜなら、私はやっぱり「頑張れ」っていい言葉だと思うんです。でも、さっき言ったように、今までの私の考え方を変えなければいけないかもしれない。私が、かえって、「頑張って頑張って」という言葉が、相手にプレッシャーを与えていたとしたら、私は本当に考え方を改めなければいけません。


06:49 

皆さん、皆さん、今日の質問は、「頑張れ」って聞いて、どんな気持ちになりますか。つらいときどんな言葉をかけてもらえると嬉しいですか。応援の言葉がプレッシャーになることもあると思いますか、ということで話をしてみました。


07:11 

そして、もう一つ面白いポイントは、皆さんの国や文化、生活している場所では、この頑張ること、努力のプロセスと結果、どちらが大切にされていますか。皆さんの答えを教えてください。今日はここまで。またね。



Japanese with Noriko

A fully qualified Japanese teacher and also the creator of the Japanese podcast, LEARN JAPANESE WITH NORIKO.

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