Season 3-18.「尻に火がつく」と「お金かやりがいか?」

【3-18-1】

皆さん、Japanese with Noriko日本語のポッドキャスト、ホストののりこです。


今日は本題に入る前に皆さんに連絡というか伝えておきたいことがあるんですね。先日もお話しましたように私は今大きな人生の転機を迎えております。16年間住んだ北アイルランドのベルファストからイングランドのリバプールに引っ越しをする。その引っ越しのプロジェクトが進んでいて、めちゃくちゃ忙しい。


皆さんは自分の人生の中で何回引っ越しをしたことがありますか?私はあんまり経験がないんですね。もちろん日本から北アイルランドに引っ越しきた。そしてベルファストの中で何度か引っ越ししたことがあるけど、でもね、物凄く大きな引っ越しじゃなかったと思いますね。なぜなら、日本から北アイルランドに最初に引っ越してきたときにスーツケース一個だけだったんです。本当に一個だけ。ほとんど荷物を持ってこなかったんですよね。


でもこの16年間、経った後、私はたくさん物があって、そして今、海を越えてイングランドに行かなきゃいけない。これは大きな引っ越しのプロジェクトで本当に色々することがあるんだよね。ストレスたまっています。


なので、引っ越しが終わるまで、そして引っ越ししても色々荷物を片づけたり住所の変更手続きをしたり、WIFIもしばらくないかもしれない。インターネットもしばらくないかもしれないから、更新が難しいみたいなことが続くと思うんです。なので、思い切って引っ越しが終わって生活が落ち着くまで、この私のメインのポッドキャストの更新回数を減らします。皆さんごめんなさい。


でもこの経験はポッドキャストのネタになると思っているので、長い目で見たら悪いことじゃない。全てが落ち着いたときには色々な面白い話を皆さんにシェアできると思っているんです。なので、これからは更新が少なくなりますけど、お待ちください。ぼちぼち、できる範囲で引っ越しが完了するまでマイペースでやっていきたいと思っています。仕事の量をちょっと減らしていかないと、引っ越しのプロジェクトができないという状態になっています。


それでは今日のメインのトピックは二つありますね。一つ目は「尻に火が付く」。「尻に火が付く」、どういうこと?ちょっと恐ろしい表現ですね。とても面白い表現。体の一部の名前を使った日本語の面白い表現を、今日も紹介していきます。そして後半はちょっと真面目な話、「お金か生きがいか」、「お金かやりがいか」という話をしていきたいと思います。それでは最後まで聞いてください。始めるよ!


【3-18-2】

それでは「尻に火が付く」、まず私の生徒さんの作文を紹介したいと思うんですね。これも夏にやった日本語チャレンジLearn Real Japanese with Youtubeというコースの中であったタスク。で、生徒さんが書いてくれた作文なんですね。で、この、これから読む作文の中にたくさん体の一部を使った表現が出てくるんです。皆さん注意しながら聞いてみてください。とてもよく書けた作文なんですね。それでは読みます。


私は経理部長として、毎日山ほどの仕事に頭を抱えています。最近、目が回るほど仕事が忙しいです。でも、多くの部下は腰が重く、なかなか指示通りに行動してくれません。何をするのも尻が重く、尻に火がつかないと仕事をせず、消極的な人たちです。こんな部下にはかなり手を焼きます。もし、多くの部下が頭が切れて積極的な人だったら良かったのですが、それは夢のような話ですね。


もう一度読みます。


私は経理部長として、毎日山ほどの仕事に頭を抱えています。最近、目が回るほど仕事が忙しいです。でも、多くの部下は腰が重く、なかなか指示通りに行動してくれません。何をするのも尻が重く、尻に火がつかないと仕事をせず、消極的な人たちです。こんな部下にはかなり手を焼きます。もし、多くの部下が頭が切れて積極的な人だったら良かったのですが、それは夢のような話ですね。


いくつ聞き取れました?体の一部を使った表現。まず最初に出てきたのは「頭を抱える」。想像してくださいね。両手が頭の上に乗ってね、なんか「どうしよう」、「困ってる」っていう様子なんですね。これはどうしたらよいかわからない、困っているっていう状況を表す表現。「頭を抱える」。


そして、「目が回る」っていうのは分かりやすいね。目がくらむ。めまいがする。つまり、非常に忙しいという様子なんですよね。目が回るほど忙しい。そして「腰が重い」とか「尻が重い」。これはですね、なかなか行動を起こそうとしない。物事を始めるのに、なかなか始めようとしない。そういう時に「腰が重い」、「尻が重い」。


そして「尻に火が付く」。これは面白いね。尻に火が付いたら大変なことになりますよね。本当に大けがになっちゃう。慌てますよね。つまり物事が差し迫って何かに追い詰められて「ああー!」慌てることなんです。なので、尻に火が付かないと仕事をしないということはギリギリまで何もしない、待って待って、そして「あっ、やばい。もう明日が締め切りだ!」みたいなことになったら慌てて仕事をやる。尻に火が付かないと仕事をしない。面白いですね。


そして「手を焼く」。手を焼いたらこれも大変ですね。恐ろしい。火傷してしまいます。つまり、うまく物事が処理できなくて困る。手こずる。持て余す。よく使うのは反抗期、反抗期の子供に手を焼いているんです。こうやってお父さんお母さんが言うことができるね。


そして「頭が切れる」。頭が切れる人っていうのはね、ものの考え方が鋭い。物事を、何か問題を、問題があったら見事に素早く解決できる。これいい意味ですね。頭の回転が速い人。頭が切れる人。今、意味が分かりましたね。もう一度作文を聞いてください。


私は経理部長として、毎日山ほどの仕事に頭を抱えています。最近、目が回るほど仕事が忙しいです。でも、多くの部下は腰が重く、なかなか指示通りに行動してくれません。何をするのも尻が重く、尻に火がつかないと仕事をせず、消極的な人たちです。こんな部下にはかなり手を焼きます。もし、多くの部下が頭が切れて積極的な人だったら良かったのですが、それは夢のような話ですね。


私もですね、最近ストレスが多くて、この引っ越しのプロジェクト「何から始めたらいいのか」、これもしなきゃあれもしなきゃ頭を抱えていて、目が回るほど忙しい毎日なんです。でもまだ引っ越しのパッキング、その、段ボールの箱に荷物を詰めることはまだまだしていません。多分これはなかなか始められない、腰が重いんですね。私も旦那さんも尻に火がつかないと引っ越しのパッキングはできないかもしれません。


はい、そんな感じで文を皆さんも作ってみてください。それでは尻に火が付く、手を焼く、ちょっと怖い表現を紹介しました。とても面白いですね。それでは次。次は「お金かやりがいか」、「お金かやりがいか」。


【3-18-3】

まず、このトピックを選んだきっかけは教科書「カルテット」。このカルテットという教科書、私、結構好きで、プライベートレッスンで生徒さんと使っているんだけれども、中級向けの教科書で、日本語カルテット1と2があるんですね。2の後半部分、本当に終わりごろの12課にディベート大会という会話の内容が出てくるんです。


日本語のクラスでジョージ・テイラーとサラ・ゴメスとワン・メイリンさんが「仕事ではお金よりやりがいが大切だ」というテーマでディベート、ディスカッションしてるんですね。これ、非常に面白くて皆さんはどう思うのかな、聞いてみたいなあと思ったので、今日話してみることにしたんです。これ、教科書の内容よ。


一人の方はですね、この教科書で、「仕事ではお金よりやりがいが大切だ」に賛成の立場なんです。仕事にやりがいがあれば日々の生活が充実するから、仕事をする時間は一日の三分の一を占めていて、起きている時間の多くを過ごす場所でやりがいが感じられなければ、日々の生活はつまらないものになってしまう。そういうことが書いてあるんですね。仕事で自分の存在価値が感じられ自己肯定感が持てる、それが大切だって言っているんです。だから一人の意見はお金よりやりがい。


でもですね、反対のグループの意見ももちろんあって、プライベートの時間を充実させれば仕事にやりがいがなくても日々の生活がつまらなくなるとは限らないと思います。例えば趣味に没頭したり休みに旅行したりおいしいものを食べたりすれば、生活は充実するのではないでしょうかっていうふうに賛成の意見と反対の意見の人がディスカッションしているというモデル会話があって、そして生徒さんたちと私の実際の生徒さんたちと、どう思いますか?と、こう、ディスカッションをしていくというレッスンをやったんです。


でね、私、これ本当に難しい。だって、やっぱりお金も必要なんですよね。私はイギリスに生活していて、イギリスで生活していて、今さ、本当にインフレーション、全てのものがどんどん値上がりして物価が高くなっていて結構大変なんです。正直。私のレッスン料を値上げしなきゃいけないかな、でもこれ以上値上げするのはどうなのかな。でも値上げしないともしかしたら私、生活苦しいかも。だって北アイルランドは比較的に物価は安いと言われているけど、イングランドは北アイルランドよりも高いんです。色々なものの値段が上がるところに引っ越しするんですね。私の生活、旦那さんの生活、二人の生活うまくやっていけるかな。不安もあります。お金は大切なんです。やっぱり。


でも仕事がつまらないと毎日の生活、嫌になるかな・・・。だって私はこのコロナの禍、Covidが始まったときですね、会社員の仕事をしていました。フルタイムで。週末だけパートタイムで日本語の教師をやっていたんですね。その会社員の仕事を辞めた理由はですね、つまらなかったからなんです。仕事になんかやりがいを感じられなかった。つまらないと思っちゃった。楽しくないと思った。で、やりがいを求めて100%フルタイムで日本語の先生やろうと決めて今に至るわけなんですね。だからその時はやりがいを求めたんです、私。


でもやりがいを求めたけど日本語の教師としてレッスンをもう何個も何個もやって一日に7レッスンとか8レッスンとかやって、燃え尽きて、やりがいだけでは生きていけないんだなと思ったんですよね。私。これが私のこの3年、4年間の気持ちの変化でした。だから今の私の考えは、日本語教師というやりがいのある仕事をしているけど、お金も大切。だから日本語教師としてお金もちゃんと稼ぎたい。そして余裕のある楽しい生活を暮らしたい。時にはおいしいレストランに行きたい、韓国語のレッスンも続けたい、旅行も続けたい、大好きな読書をしたいから本も買いたい。だからお金が必要という結論に至りました。なので、両方大切。皆さんどう思いますか。


これは皆さんそう思うんじゃない。やっぱりやりがいだけでは生きていけない。中にはやりがいがうまくいって、やりがいが仕事で、その仕事でうまくお金を稼げてる人たちもいます。でもそういう人たちはほんの一部分じゃない?たくさんの人はお金のためにつまらない仕事をしているかもしれません。そういう時にはどうしたらいいんでしょう。皆さんの意見を聞かせてください。はい、それでは、これは結論がない話ですけれども、皆さんの意見を聞かせてほしいですね。


私は本当に日本語の教師を今のところやめるつもりはないですけれども、もう少しうまくバランス良く仕事をしていきたいなあと思っています。これはお金かやりがいかっていう話にもつながるし、ちょっと前に話したワークライフバランスの話にも繋がると思うんですね。仕事ばっかりやる人生はやっぱり面白くないかなと、この50歳になった私は考えるようになりました。


以上です。それでは皆さん今日はここまでです。

Japanese with Noriko

A fully qualified Japanese teacher and also the creator of the Japanese podcast, LEARN JAPANESE WITH NORIKO.

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