Season 3-7 Book Club 『日本人の心がわかる日本語』-「控えめ・以心伝心」

皆さん、Japanese with Norikoののりこです。今日は本についてですね。その前にお知らせです。


第二回読書チャレンジをやります。去年秋、2022年の9月にやったんですが、今年は2023年の10月と11月にチャレンジをしたいと思います。コミュニティーの中、Japanese Togetherの中でやりますね。これは皆さん参加しやすいです。メンバーになっていただいて、サインアップをしてもらって自分で読書チャレンジのゴールを設定します。だから自分で決めたコンテンツ、本、ブログ、自分で「これを読む」と決めて、そして一週間にどのぐらいとか、毎日何分とか、何パーセント、何ページ読む、自分で決めるんです。


なので10月スタートなんですが、10月、11月のこのチャレンジ中で読み終わらなくてもいい。「本を一冊読み終えるぞ」っていう目標、目標じゃなくてもいいんです。ただ、例えば一日一ページ読む。それをやるとか、一週間に2パーセント読む。それでもいいんです。だから読み終わるというのがゴールじゃない。自分で設定したゴールで目標で読み続けるっていうチャレンジが9月と10月、ごめんなさい、10月と11月やります。なので興味があればね、ぜひサインアップしてみてください。


で、今日は本、「日本人の心が分かる日本語」。これ今日ね、この本についてもう最後にしたいと思うんだけど、第五章ですね。今私本を開いているんですが、第五章はタイトルが「表現を抑える」、キーワードは、控えめ、遠慮、角を立てない、つつましい、出すぎる、出しゃばる、空気を読む、遠慮する、とか、そういうトピックなんですね。それではちょっとその内容について紹介していきたいと思います。聞いてください。


それでは第五章の「表現を抑える」の中のキーワード「控えめ」、この「控えめ」っていう言葉は人に対して使うこともできます。控えめ人ってどのような人なのかっていう説明が本の中にあるので、その部分を読んでみますね。


日本人の間では、自分の意見をどんどん言ったり自分の感情や欲望を隠さずにそのまま出したりすることはあまり好まれません。特に大人の場合、相手の立場や周りの状況を考えて自分の感情はできるだけ抑えるべきだと考えられています。また、成功したり高い地位についたりしても、そのことを自慢したり得意になったりしないで謙虚な態度でいることが好まれます。このように自分の感情を抑えた物静かな感じの人を控えめな人と言います。


そうなんです。だから、頼まれてもないのに聞かれてもないのに自分の口からなんか積極的に話したりするような人は「出すぎる」とか、「でしゃばりな人」みたいな感じで、または「空気が読めない人」ということで嫌われてしまうのが日本の社会なんですね。


これは私が住んでいるイギリスとはずいぶん違います。私はイギリスの会社で働いた経験がありますね。私、このことに本当に苦労しました。私はやっぱり日本人だから、ついつい自分から積極的に自分の意見を言えないんですね。まずは聞いてしまう。聞いたうえで自分の考えを判断して「あ、ここで話そうかな」っていうのを待って待って待ってから、「あ、私はこう思います」みたいな感じだったんですよね。


でもある日、その時の上司からね、フィードバックで厳しい意見をいただきました。はっきり言わなきゃいけない。のりこは静かすぎる。何を思っているのかわからないみたいなことを言われて傷つきました。考え方の違いですよね。で、本当に私はイギリスの会社で働くっていうのね、少しずつ慣れていって、、そして少しずつ自信が出てきて積極的に自分の意見を「あ、ここだ」っていうときに、言えるようになったんだけれども、それでもついつい頭の中では「今言うと、ちょっと感じが悪いかな」みたいなね。今ここで言うのはちょっとでしゃばるっていうことになるのかなっていうような考え方をしちゃうのが私っていうか日本人だと思います。


ただそれでも私はやっぱりイギリス生活が16年で、結構ズバズバとストレートに自分の意見を言えるようになってきたと思うんです。だから今度は、私気を付けなければいけないんです。イギリスで生活するうえでは、それは本当に困らないけれども、日本に帰ったとき日本人同士でやり取りするときに、ついついやっちゃうんです。今、私は逆にバーッと自分の意見を言っちゃう。頼まれてもいないのに。これはもしかしたら、私は空気が読めない日本人の中年のおばさんになってる可能性があります。


控えめ、出すぎる、でしゃばる。そしてもう一つとても面白い言葉がこの本の中にあって、それは「以心伝心」。以心伝心、言葉で言わなくても態度などから自分の気持ちが自然に相手に伝わるという意味なんですね。あともう一つ、このことわざも紹介されています「。目は口ほどにものを言う」、目は口ほどにものを言う。目を見れば口で話すのと同じぐらい相手の気持ちが分かる。


つまり私たち日本人の価値観の中には、自分の気持ちを言葉ではっきり言わなくても態度や様子で相手が分かるものだと思っていることが多いんですね。でもさ、これはどう思いますか、皆さん。実際難しいよね。はっきり言わなきゃ相手に伝わらないってことたくさん実はこの世の中であると思うんです。


オンラインの辞書の中の「以心伝心」が使われた例文を読んでみますね。面白いですよ。結婚生活も長くなったので、以心伝心、お互いを思いやって言葉を選べるようになった。これは結婚生活長く続いていて、夫婦としてはっきり言わなくても相手の気持ちがなんとなくわかるようになった。そういうこともあるかもしれないけど、私たち夫婦は結婚16年でやっぱりペルー人と日本人のカップル、国際結婚ですから、言わなきゃ伝わらないっていうこと、本当に身に染みて経験しました。言わないから誤解が生じてけんかになったっていうこともたくさんあったので、私たち夫婦にはこれ当てはまりません。


もう一つの例文ね。チーム全員、以心伝心で優勝を目指すために一生懸命練習している。これも面白いですね。多分日本の、例えば部活動で野球にしましょうか。大会で優勝を目指しているんです。一位になりたい。だからみんなはその気持ちを持っている。以心伝心で理解している。だから口に出さなくてもいいけど、一生懸命優勝のために練習している。チームメートのこの優勝したいっていう気持ちが以心伝心で分かる。


深いですね。深い。私はとてもきれいな言葉だと思います。以心伝心。言葉にしない、でも、分かり合える。でも本当は人として心と心のぶつかり合いで本当のことを口に出して言葉にして言ったほうがいいんじゃないかなって私今でこそ思うんだけど、皆さんはどう思いますか。なので、そういう説明がたくさん出ています。


あとは「さりげない」。さりげないっていう言葉も同じ章に紹介されていますね。あまり目立つようにしない態度や様子のことをさりげないと言います。さりげない。例えば、例文に彼女のさりげないおしゃれには好感が持てる。課長はさりげなく部下に注意を与えた。だから、さりげないってはっきりしていない様子なんですね。そのように見えない。行動や様子が目立たない。だから「さりげないおしゃれ」っていうのは「私おしゃれしてるのよ。見て見て」っていう感じじゃなくて、控え目のおしゃれだけどおしゃれに見えるっていうことなんですね。本当に難しいですね。


私は日本人です。死ぬまで日本人。でも長い海外生活を通して少しずつちょっと遠慮がない日本人になってきているような気がするんだよね。これは日本に帰国するために、するたびに気を付けなければいけない。空気を読む。周りでね、今これを言うべきか言わないべきか。相手の気持ちを思いやる。私は少しずつできなくなっていっているような気がして、怖いです。


それではね、今日この「日本人の心が分かる日本語」今日でこれ最後にしたいと思うんですね。でもこの私がコミュ二ティでやる2023年の読書チャレンジ10月、11月の本を読む、コンテンツを日本語で読むっていうチャレンジでこの本を選んでみてもいいと思うんですよ。難しいコンセプトだけれども、すごくいい例文がたくさん書かれてあって「ああ、そうか、こういうことか」っていう発見がある本だと思います。


それではこの読書チャレンジね、皆さんの参加をお待ちしています。Japanese Togetherの中でやりますけれども、皆さんで、Japanese Togetherじゃない方も10月、11月、何か一緒に日本語のコンテンツを読んでみましょう。皆さんのチャレンジ精神、お待ちしております。チャレンジ、やりましょう。


今日はここまでです。



Japanese with Noriko

A fully qualified Japanese teacher and also the creator of the Japanese podcast, LEARN JAPANESE WITH NORIKO.

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